全国有志医師の会のコロナワクチン後遺症研究会において、独自の方剤処方箋を提供してくださっている西洋医学の医師でもあり中国漢方医木田正博先生の木田山薬堂診療所で、患者さんに配られている養生法です。
食生活改善十か条の説明もためになりますが、食生活以外の説明は漢方医の目線で書かれていて、大変興味深いです。
目次の項目をクリックすると詳しい説明が表示されます。
中国医学からみた基本的な養生法
食生活改善十か条
第一条 ご飯をきちんと食べる
ご飯は食生活の土台。きちんと食べることが大切です。ご飯を主食にすれば副食が適切になり、季節の野菜や魚介類などが多い食事になります。ご飯が足りないと、甘いジュースや菓子類が欲しくなります。
第二条 発酵食品を常に食べる
みそ汁、漬け物、納豆などの発酵食品を常食するようにしましよう。発酵食品には有用な微生物がたくさん存在し、体内に入ることで私たちが元気に働くことを助けます。日本人がご飯、みそ汁、漬け物を組み合わせてきたのは、伝統的な知恵なのです。みそ・漬け物は、できればきちんと発酵した、食品添加物の入っていない質がよいものを選びましよう。
第三条 パンの常食はやめる
パンの常食は避けてください。パンはよほど選ばないと、砂糖や油脂類だらけで、お菓子と変わりません。イースト・フード、乳化剤、ショートニングなどの食品添加物が心配になり、副食もサラダ、野菜炒め、ハムエッグ、オムレツなどと油だらけになりがちです。どうしても食べたかったら、国産小麦と天然酵母のパンにするべきです。
第四条 液体でカロリーを摂らない
赤ちゃんは歯がないからおっぱい(液体)で満腹にしなければなりません。しかし、歯が生えてきたら、食べものはきちんとかんで食べることが大切です。かむ必要のない液体でカロリーを摂ることはよくありません。炭酸飲料、清涼飲料水、乳酸菌飲料、スポーツ飲料、牛乳などはやめましよう。飲みものは水、ばん茶(ほうじ茶)、麦茶、緑茶などにすべきです。水分の摂り過ぎもやめる。のどの渇きに合わせて飲むようにする。冷たいものも飲まないこと。お腹に負担がかかるので。
第五条 未精製のご飯を食べる
ご飯は胚芽米、分つき米(三分、五分、七分)、玄米などを常食しましよう。麦や、ひえ、あわなどの雑穀を入れるのもよいことです。
第六条 副食は季節の野菜を中心に
その季節に採れた野菜、海草、いも類などを中心に。動物性食品よりもやや多く摂るようにしましよう。
第七条 動物性食品は魚介類を中心に
その季節の魚介類を中心にし、ときどき卵で補うようにします。食肉加工品、乳製品などは極力減らしたいものです。魚は小魚を主とする。魚と肉の量は野莱と同量かやや少な目にしましよう。
第八条 砂糖、油脂の摂りすきに注意を
砂糖の入った菓子類、飲料水などは極力摂らないこと。スポーッドリンクも砂糖類を多く含むので飲まないこと。油脂類の摂り過ぎにも注意してください。てんぶら、フライ、スナック菓子なども減らします。外食は、野菜が少なく油物が多いので常食しないように。料理に砂糖を使わないようにしましよう。
第九条 できる限り、安全な食品を選ぶ
神経質にならない程度に、食品の安全性にも注意したいものです。せめて基本となるみそなどの調味料、漬け物はよいものを選んでください。何であれ、なるべく食品添加物を使っていないものを選ぶ。特に合成保存料・合成着色料・遺伝子組み換え食品は絶対に避けること。一般的に、輸入物・加工食品は農薬や食品添加物を多く含むので、なるべく食べない。小麦・大豆もほとんどが輸入品なので、豆腐・みそ・麺類・バンなども、なるべく国産の原料を使った物を選ぶ。
第十条 食事はゆっくりと、よくかんで
食事はゆっくりとよくかんで食べる習慣をつけましよう。楽しい食事も忘れずに。腹八分をこころがける。
特に晩ご飯を食べ過ぎないことが大事。
以上をまとめると、食材の作られ方も含めて昔風の和食に戻すと良いということです。
「粗食のすすめ レシピ集」幕内秀夫著 東洋経済新報社 1999年発行をもとに、一部改変したものを掲載しています。
【食生活以外について】
①よく体を動かす
少なくとも毎日30分程度は外を歩く習慣をつけましよう。散歩を趣味にするとよい。自転車に乗るのもよい。家でもこまめに身体を動かしましょう。『気血津液』のめぐりが良くなるし、『脾』(おなかの働き)が調子よくなります。
②早く寝る
夜10時には寝るのがよい。遅くとも11時には寝ましよう。小学生以下は9時には寝ましよう。人間は『天』の変化に従って生活すると元気になるようできています(『天人相応』)。夜は静かに休んで『元気』を養うべき時間です。夜更かしして活動していると『元気』や『肝・腎』を消耗します。
③仕事や生活で無理を続けない・あまり頑張らないこと
「しんどい、もういや、休みたい」という心身の声を聞くことが大切。長く頑張り続けると無理が積み重なって必ず『気・血・精』が消耗したり停滞したりして『未病』から『発病』という事態になります。早目にこまめに休むこと。頑張るのは一時だけにする。
④化学物質を体に取り込まないよう注意
大量生産と大量廃棄で成り立つ現代社会は、有害な化学物質に満ちあふれています。食品添加物・農薬など食べ物から入るもの以外にも、新建材によるシックハウス・室内の農薬(家庭用殺虫剤・蚊取り線香とマット・白アリ駆除など)・各種抗菌製品・合成洗剤(シャンプー・台所洗剤・歯磨き用剤など)・車の排気ガス・たばこ・各種のほこり・水道水中の塩素と汚染物質など、例をあげるときりがありません。
しかし、気をつけることで大幅に減らすことはできます。これらは共通して環境ホルモン(ホルモン撹乱作用)・アレルギーを引き起こす作用・神経障害・発癌性などの毒性を持っています。
⑤電気製品を長時間、密着して使わない
電磁波に長時間さらされると、免疫力低下・白血病を発症させるなどの影響があると、疑われています。携帯電話・電気毛布・ホットカーペット・電気アンカ・電磁調理器などに注意。その他テレビ・パソコンによる眼精疲労にも注意。『肝血』を消耗します。
これらを使うときは、なるべく距離を離して短時間に。特に電気毛布は使わないこと。
⑥冷暖房は過剰にならないよう注意。一日中室内に閉じこもらない
積極的に野外活動をして自然のなかに身を置きましよう。そのことで『肺』と『脾』がよく働きます。
⑦楽しんでできる趣味を持ちましよう
『気』のめぐりが良くなりストレス発散になるし、心身が活発になります。自分自身の生きがいを持っていることも大事です。そのことで『神』(気持ち)が安定し元気になります。
まとめ
以上の養生法のキーポイントは
( 1 )天人相応(自然の摂理にのっとった生活をする)
( 2 )心身の声を聞く(内なる自然の摂理に従う)
のニつです。仕事の都合や頭で考えたことに従うよりも内なる声に従いましよう。