鼻と口を覆うマスクを日常的に使用する事の副作用と潜在的な危険性についての総説(系統的レビュー)

  • 定量的評価では主に実験的な研究を44件、実質的な評価では、65件の文献を参照した.
  • さまざまな分野で一貫して繰り返し観察された、心理的・身体的な悪化や複数の症状について、マスク起因性消耗症候群(MIES: Mask-Induced Exhaustion Syndrome)と名付けた。
  • 以下のような典型的な症状が組み合わされて観察された:呼吸死容積の増加、呼吸抵抗の増加、血中二酸化炭素の増加、血中酸素飽和度の減少、心拍数の増加、血圧の上昇、心肺能力の低下、呼吸数の増加、息切れ・呼吸困難、頭痛、めまい、ほてり、集中力低下、思考力低下、眠気、共感力低下、皮膚バリア機能低下(かゆみ、にきび、皮膚障害、炎症)、全身倦怠感・疲労感など
  • COVID-19の致死率、感染率ともに当初予想されていたよりもはるかに低いことが判明している(2020年10月のWHOの発表による)が、マスクによる副作用は臨床的に重要なものである。
  • マスク着用時に記録されている血中二酸化炭素の増加、心拍数の増加、呼吸数の増加などが、正常値を超えないレベルであってもそのような変化が持続的に長期間繰返されることにより、慢性的な交感神経ストレス反応を引き起こし、ひいては免疫抑制と、心血管および神経疾患を伴うメタボリックシンドロームを誘発する可能性がある。

 Kisielinski K, Giboni P, Prescher A, Klosterhalfen B, Graessel D, Funken S, et al. Is a Mask That Covers the Mouth and Nose Free from Undesirable Side Effects in Everyday Use and Free of Potential Hazards? Int J Environ Res Pu. 2021;18(8):4344.