全国有志医師の会より
本日は臨時配信号!70回目のメルマガ発信です。
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【パブリックコメント(パブコメ)を送りましょう】
従来の“風邪”が5類感染症に?
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2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症が感染症法上「2類」の位置付けから「5類」となって1年以上が経ちました。
厚生労働省の指針
https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html
感染症法の分類とは
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA071CB0X00C23A5000000/
つまり新型コロナウイルス感染症は、季節性のインフルエンザ感染症と同等の扱いになったということです。
現在日本政府は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメントを募集しています。2024年7月12日に公示された本条項の改正案について、驚きの事実が発覚しました。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495240096&Mode=0
◆従来の“風邪”が5類感染症に?
本条項の改正案の内容に、新型コロナウイルスとは異なる、従来のコロナウイルスによる“風邪”が5類感染症に含まれることがわかりました。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000277009
「5類感染症」に位置付けられると、全国の「定点医療機関」での医療関連感染の発生状況を把握し、その評価を感染防止対策に活用する「サーベイランス」の対象となり、その患者数が週ごとに公表されることになります(定点把握)。
◆重大な改正内容が周知されていない「パブコメ」
実は今回の改正案の内容には、従来の“風邪”のコロナウイルスが「5類感染症」に含まれるとは明記されておらず、武見敬三厚生労働大臣の定例記者会見での質疑の際に発覚しました。
下記は2024年7月26日、武見厚労大臣の定例会見で感染症法上の「5類感染症」に急性呼吸器感染症(ARI)を追加する方針について、弁護士の楊井人文氏が質問した際の質疑応答です。
https://x.com/JINKOUZOUKA_jp/status/1816748404942471186
楊井氏:今、国民に意見募集を求めてらっしゃるわけですので、そこは明確に、 今回の改正によって従来の風邪が「5類」に入ることになるのか、入らないことになるのか、そこは明確にご説明いただけないでしょうか。でないと、意見募集をされてる意味が、ちょっと意図がわからなくなってしまうんですが。
大臣:あの、急性呼吸器感染症(ARI)とはですね、急性呼吸器感染症は、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)あるいは下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群を総称してこの急性呼吸器感染症と言います。 新型コロナウイルス感染症とは異なる、風邪の原因となるコロナウイルスもここに含まれます。
医療経済ジャーナリストであり、九州有志医師の会代表の森田浩之医師も今回の改正案について、警鐘を鳴らしています。
https://note.com/hiroyukimorita/n/nd3f669950cb0
◆“風邪”の原因となるコロナウイルスとは?
ヒトに感染する「コロナウイルス」は、風邪の病原体として人類に広く蔓延している4種類(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1)と、動物から感染した重症肺炎ウイルス2種類(SARS-CoV、MERS-CoV)、そして2019年に発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV2)を含め計7種類が確認されています。
そのなかでも日常的に人に感染する風邪の10~15%(流行期35%)は、4種類のコロナウイルスが原因とされ、人は生涯に渡ってこれらの“風邪”のウイルスに何度も感染するが、軽い症状しか引き起こさないため問題になることはないと「国立感染症研究所」のHPにも明記されています。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html
わたしたち国民が日常用語としても使用し、共通認識している“風邪”(従来の「コロナウイルス」を含む)が、感染症法上の「5類感染症」になることによって、その流行状況が法的な監視の対象になるというのです。
◆懸念される影響や問題
急性呼吸器感染症(ARI)における流行状況の監視の強化と公衆衛生の向上を図る目的の今回の改正によって、約4年にも及ぶ「コロナ禍」で私たちが経験した日常における「過剰な感染対策」を固定化し、さらに助長・強化されるのではと懸念せざるを得ません。
・医療体制への影響
医療機関における患者の監視や対応が増加することで、医療資源・スタッフが圧迫される可能性があります。また、多くの軽症患者が医療機関を訪れることで既存の医療体制が逼迫する可能性や、「発熱の有無も問わない」とあるため、PCR検査や抗原検査等に頼り、誤診が増えるなどして、医療費がかさみ結果患者側の負担もより増える過剰医療になることが予想されます。
・医療現場の混乱
先のコロナ禍では、重症患者のために空けておいたベッドに対し政府が多額の補助金を支払うなど、国民の税金によって過剰とも言える感染症対策が行われ、それが医療逼迫、医療崩壊などの混乱を招く要因となっていました。
従来の風邪が「5類」に分類されることで、重篤な感染症と軽症の風邪の区別が曖昧になり、医療現場での判断や対応が複雑化し、特に緊急処置や治療が必要な患者が適切な医療を受けられなくなる医療逼迫、医療崩壊など、コロナ禍と同様の混乱を招く可能性があります。
・日常生活に与える社会的影響
今まで軽い症状しか引き起こさないため、問題視されてこなかった“風邪”の流行状況を一般国民へ周知することで、社会的に過度な不安が広がり、経済活動や日常生活に影響を及ぼす可能性が懸念されます。
コロナ禍では入院患者や介護施設に入所している人が、家族や友人になかなか会うことができないなどの面会制限が行われ、日本国憲法における基本的人権が守られていない異常な事態でした。
今でも各医療機関や施設独自の感染症対策を行っているところもあるようです。
発熱により病院を受診し、検査をしたら「インフルエンザだった」「コロナだった」または「そのどちらでもないので、ただの“風邪”だった」という話が今でも周りにあることでしょう。
従来の“風邪”が「5類」に分類されることで、インフルエンザや新型コロナウイルスのように私たちの日常生活が感染症によって振り回され様々に制限されることになるかもしれません。
そもそも“風邪”を罹ってはいけないものとすること自体が免疫学的に誤りであり、人間は細菌やウイルスの存在によって自然界の一部として生存することが可能となってきたという大原則を忘れてはなりません。
◆パブリックコメント(パブコメ)を送りましょう
・改正する省令案の概要
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000277009
★パブリックコメントについて★
民主主義に基づき、政府に対して自分の意思を明示しましょう。
・一人何回でもコメント入力することできます
・「匿名」でも入力可能です。
・8月17日0時00分の募集期限まで何度でもコメント入力可能です。
※ギリギリのコメント送信だと受け付けない可能性もありますので時間的余裕を持ってコメントを送りましょう
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495240096&Mode=0
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