モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)は、アメリカ・メルク社が開発し、日本において2021年12月24日の薬事・食品衛生審議会の即日に新型コロナウイルス感染症治療薬として特例承認された新薬です。
つい先日の2023年4月24日、厚労省はモルヌピラビルを「有効性、安全性に関する文書を用いた患者への説明や同意書の取得なしに投与できる」という通達を医療機関や薬局へ出しました。
ラゲブリオカプセルの承認条件の取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/content/001090926.pdf
実はこのモルヌピラビルに関して、欧州連合(EU)の医薬品規制当局、欧州医薬品庁(EMA)は、2023年2月に「データ全体に基づいて、モルヌピラビルが入院または死亡のリスクを軽減したり、重篤な疾患のリスクがある成人の病気の期間や回復までの時間短縮などの十分な治療効果が得られなかった」として、 販売しないように勧告しました。
コロナ治療薬に不承認勧告 EU当局、モルヌピラビル
https://nordot.app/1002037439736250368
この薬の安全性において日本では、2022年5月10日の参議院厚生労働委員会で、北海道大学客員教授の隈本邦彦氏が参考人として出席、厚労省に対し「モルヌピラビル投与後、2800件の副作用が出ており、そのうちの343件が重篤、32名が死亡しているが」と問い正しましたが、厚労省からの返答はありませんでした。
このように重大な副作用などの問題点が懸念される中、2022年9月16日より一般流通が開始されました(1日薬価:19000円で5日間投与の公費負担)。
市販直後の調査結果では、販売開始後85日間で9名の死亡者(副作用報告2246件、うち282件が重篤)が出たにもかかわらず、当時は試験薬だったためか厚労省はその詳細の公表を差し控えました。
民間の医薬品監視機関である「薬害オンブズパースン会議」は、厚生労働大臣とMSD株式会社に対しモルヌピラビルの「使用一時中止を求める要望書」を提出しています。
「ラゲブリオ(モルヌピラビル)の使用一時中止を求める要望書」を提出・公表
https://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=1029
このことから、モルヌピラビルの認可は時期尚早であったことは疑いようがなく、新型コロナウイルスがオミクロン株に変異して以降、重症度は大幅に低下し致死率0.22%になった新型コロナウイルス感染症に対する重症化予防の治療薬として、同意書の取得なしで使用することは、患者にとって果たして有効的かつ安全と言えるのでしょうか?
なお他の新型コロナウイルス治療の高額薬(パキロビット、ゾコーバなど)も9月末まで全額公費負担を予定しています。
日本の薬害がなくならない基本的な問題として、巨大製薬資本や医療団体などの利権によって行政が左右される構造があるのではないだろうか。
特にコロナ騒動では「特例承認」によって認可されたワクチンや薬剤について、効果や安全性を利益相反なしに評価・見直しする正当なチェック機能が働いていないと危惧を感じている。